当社の賃貸マンション「パークハウス」「マナーハウス」は、京都市内・五条烏丸で昭和初期まで、染呉服商「水清」を営んでいた、五代目水口屋清兵衛（本名：八木清八）が大正４年(1915年)に建てた別邸「洛東静処」の跡地の一部である。
本別邸は、大正天皇即位御大典の際、大隈重信内閣総理大臣の宿所となった。
華頂山を借景にして造られた御屋敷は、書院造りの本館、玄関と車寄せ、数寄屋造りの居住棟、茶室、洋館など複数の棟からなる広大な邸宅であった。洋館は朝香宮一家の京都での宿所にもなっていた。
昭和11年（1936年）に、茶室「待月庵」は北野大茶湯三百五十年記念大献茶会の一会場として使用された。
また、昭和21年(1946年)に、書院造りの本館及び洋館は進駐軍高級将校の家族住宅として部分接収された。
因みに、建築設計を東京の佐々木岩次郎氏、棟梁を京都御所・紫宸殿の普請に関係していた京都の三上吉兵衛氏、造庭を京都の「植治」七代目小川治兵衛氏に委ねた。
現在は２階建の数寄屋造りの居住棟半分が遺構として残存し、京都市「京都を彩る建物や庭園」の認定番号６１号に指定されている。
